2016-2-11 感動

私が結婚を母に報告した時、
ありったけの祝福の言葉を言い終わった母は、
私の手を握りまっすぐ目をみつめてこう言った。
「私にとって、みおは本当の娘だからね」
ドキリとした。

母と私の血がつながっていないことは、
父が再婚してからの18年間、
互いに触れていなかった。

再婚当時幼かった私にとって
「母」の記憶は「今の母」だけで、
『義理』という意識は私にはなかった。
けれど、やはり戸籍上
私は「養子」で、
母にとって私は父と前妻の子なので、
母が私のことをどう考えているのか、
わからなかった。
気になってはいても
そのことを口に出した途端、
互いがそれを意識して
ちぐはぐな関係になってしまいそうで、
聞き出す勇気は私にはなかった。
だから、母の突然で
まっすぐな言葉に私は驚き、
すぐに何かをいう事ができなかったのだ。
母は私の返事を待たずに
「今日の晩御飯、張り切らなくちゃだめね」
と言い台所に向かった。
私はその後姿を見て、
自分がタイミングを逃したことに気がついた。

そして、
「私もだよ、お母さん」
すぐそう言えば良かったと後悔した。

結婚式当日、
母はいつも通りの母だった。
対する私は、
言いそびれた言葉をいつ言うべきか
を考えていて、少しよそよそしかった。
式は順調に進み、
ボロボロ泣いている父の横にいる、
母のスピーチとなった。
母は何かを準備していたらしく、
司会者の人に
マイクを通さず何かを喋り、
マイクを通して「お願いします」と言った。
すると母は喋っていないのに、
会場のスピーカーから誰かの声が聞こえた。

「もしもし、お母さん。
看護婦さんがテレホンカードでしてくれたの。
お母さんに会いたい。
お母さんどこ?みおを迎えに来て。
みおね、今日お母さんが来ると思って折り紙をね…」


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